契約する農家の畑の「土」を建築資材として活用し、できるだけシンプルなデザインで、新鮮な野菜の彩りを際立たせる空間を目指しました。立体木摺土壁 の配色は、自然物を混ぜ合わせることで偶発的に生まれるなど、自然にゆだねる楽しさを感じながら、実験・検証を重ね、進めていきました。 現在、建築には、地球環境に与える影響を最小限に抑えつつ、持続可能な社会と豊かな生活を実現するために、多様な視点からの取り組みが求められます。そのためには、建築家、エンジニア、 職人、そして社会を支える様々な専門家が協力しなければなし得ません。関係者が一体と なり、資源の消費を最小限に抑え，廃棄物を削減できる循環型建築の設計と施工を推進できました。今後、世界中から訪れる人が、新鮮な野菜を通して日本の自然・風土に慣れ親しん でもらえることを願っています。

野菜の運搬時の緩衝材として用いられるおがくずと廃プラスチックとを 組み合わせて固めた天板を開発し、棚として設置しました。おがくずや廃プラスチックを敷き詰める順番や割合、加熱 時間の違いにより異なる表情を見せ、様々な寸法に加工して用いることができます。透け感があり、裏側から光を当てる とおがくずが浮かび上がります。